昭和40年代中頃~平成初期まで、地方の主要道路沿いには「コインスナック○○」とか「オートスナック××」といったオートレストランが多くみられました。
飲料やたばこばかりでなく、カップラーメン、カレーライスなどの自動販売機とテレビゲーム機が置いてあり、軽食もとれるゲームセンターといった感じで営業していました。
基本的に24時間営業または深夜まで営業しており、昼間は営業マン、夜間はトラック運転手さんなどがよく利用していたようです。
そんな、一世を風靡した(してないかも?)オートレストランもコンビニやファーストフードにおされて廃れていき、ほとんど絶滅してしまいました。
今でも旧国道沿いなどに、営業せず建物だけ廃墟のように残っていたりすることがありますが、それを見かけることも少なくなりました。
ところが、そんな状況にもめげず、今でも昭和の当時と変わらずバリバリ営業している所もあるようです。
そんな中のひとつが、新潟市北区にある「ポピーとよさか」です。
たまにこの前を通るのですが、通るたびに「あっ!まだ、あった!」とうれしくなります。
2軒先にはコンビニもあるのですが、ずっと頑張っています。
さすがに、いつ無くなってもおかしくないので、久しぶりに立ち寄ってみました。
入りづらそうなドアを開け(外から中は見えません。)
中に入ると・・・
目の前にこんな感じで・・・
さすがにゲーム機は変わっていますが、テーブルに灰皿が置いてあったりして雰囲気は昭和のままです。
ゲームコーナーもそうですが、こちらの目玉は軽食の自動販売機コーナーです。
まさに昭和ですね。
その中でも、向かって右側の「そば・うどんの自販機」は・・・
・・・昭和50年から平成7年まで、約3000台が製造販売された「富士電機めん類自動調理販売機」という名品(?)だそうです。
現在全国でも70台程度しか稼働していないレア物らしいです。もちろん、こちらも現役です。
それに匹敵する逸品がこちら↓
トーストサンドの自販機です。おそらく麺類の自販機と同じ年代の物かと思われます。
手書きの注意書きもいい感じに古びて・・・
せっかくなので、買って食べてみました。
加温している間、商品が出てこないので、ちゃんと動いているのか気になりましたが・・・
さりげなく「トースト中」のランプが点滅しています。
待つこと1分弱でしょうか?出てきました!
取り出し口の注意書きもいい感じです・・・
丁寧にアルミホイルに包まれていますが、密封されているわけではありません。
店の方に聞いてみると、奥に厨房があり毎日手作りしているそうです。
市販の6枚切り食パンをさらに半分にしたような厚さのパンが2枚重なっています。
中を覗いてみると、シンプルにハムが1枚挟んでありました。
昭和のお母さんが作ったような素朴な感じの味です。
結構人気があるらしく、私が食べている間にも1名買われた方がいました。
この麺類自販機とトーストサンド自販機が両方とも揃っているのは、新潟県ではここだけだそうです。
そんなこともあって、週末になると県内外からマニアの方がこのクラシックな自販機を目当てにお越しになるようです。
駐車場の入口には、古びた看板とともに電話ボックスも撤去されずにまだ残っていました。
作られた昭和レトロではなく、天然(?)の昭和レトロ。
昭和カルチャーの重要文化財として末永く営業を続けてもらいたいです。