アマゾンで、タイトルに「50歳」とか「50代」と付いている本を買ったり検索したりすることが多いので、メールやウェブで関連本を薦められるられることがよくあります。
最近、薦められたのがこちら↓
齋藤孝さんの著書は好きなので、迷わず買いました。
前書きの部分から興味をそそられます。
誰でも45歳ぐらいになると、はたと気がつくことがあります。昔のようにお酒を飲めない。ちょっと寝不足が続くときつくなる。夕方になると目が霞んでくる、いよいよ老眼が始まったのかもしれない・・・・。
40歳になったばかりの頃なら、30代の勢いがまだ残っており、体力や気力のバランスが取れて快調な時期ですから、あまり自分を中年だと感じることはありません。
しかし、45歳ぐらいから、何となく陰りが出てきます。「初老期うつ病」といわれる症例もあるそうですが、そこまで行かずとも何となく気分がすぐれない。
私も45歳過ぎくらいから漠然と感じていたことが文章になっています。「そうだよなぁ・・・で、どうする?」と思いながら読み進めます。
内容は全般的に「そう、それ!」と思う部分が多いのですが、中でも「盆栽は50歳を過ぎてから」と「50歳になったら物欲が整理される」という項目が自分と照らし合わせて「なるほど、そういうことか!」と妙に納得できました。
「盆栽は50歳を過ぎてから」の中で、「盆栽を愛でるという行為は、樹木が宿している生命力を自分に取り込みたいという願いの現れ」だと言っています。意識はしていませんでしたが、草花や樹木に興味をもつようになったのは、年齢による潜在的な欲求なのかもしれないと思いました。
「50歳になったら物欲が整理される」では、「実際50歳を超えると欲望がしだいに整理されてきます。私の場合、まず物欲が止まりました。」と書かれています。
この「物欲が整理される」という表現にピンときました。
私の場合、まだ物欲は無くなりません。ただ、若い頃のように「もっとたくさん!もっといい物を!」という欲望は無くなりました。
「足るを知る」ようになったというか、気力体力の衰えに合わせて自然に「これで十分、もういらない。」という気持ちになってきました。
ただ、ある程度の定数を決め、物を増やそうとは思わなくなりましたが「飽きたから、そろそろ別の物を・・・」といったワンイン・ワンアウトの入替えは頻繁に行っています。
このへんの関係ついてうまく説明できなかったのですが、こういう気持ちも「物欲が整理される」ということになるのかと納得しました。
もうひとつ、一番面白かったのは「第5章 最後の恋を夢見ない」です。一般的な50代男性を冷静かつ客観的に評価し「ひょっとして、俺だけには♡」という勘違いしないように諭して?います。
夢が無くなるかも知れませんが、現実を受けとめ「イタい中年」にならないよう、冷静な行動をとるための方法が記されています。
斉藤さんは50代後半、昭和35年生まれで私より8歳年上です。ご自身の少し前の体験や現在の状況を踏まえて書かれているので、特に40代後半から50代の男性が読むと面白いかもしれません。お薦めします。